「新しいビジネスモデル」というと何かとても前衛的で斬新なアイデアを考えなくてはいけないように感じるかもしれませんが、そんな必要は全くありません。
新しいビジネスモデルを効率よく構築していくには簡単でシンプルな公式があります。
既存のコアサービス+新組織、新技術+市場(クライアント)の欲求=新しいビジネスモデル
ただ闇雲に最先端の技術やキーワードを取り入れたビジネスモデルを考えても、組織や予算、設備の関係で非現実的なものとなり非効率です。
また潤沢な予算があって、最新の設備があっても、そのサービスが市場に求められていなければ、ただのモデルで終わってしまいます。
大事な事は成功するビジネスモデルには常に「市場の欲求」が介在していることです。
今成功しているビジネスの延長上のブラッシュアップまたは別の角度からそのビジネスモデルが活かせる市場をターゲットに新規事業の構築を考えましょう。
注意しなければならないのは、新しいビジネスモデルを考える際には印刷売上を目標としてはいけません。
印刷売上は「自社の欲求」であり、こればかりに気をとられて「市場の欲求」を見落としがちになるからです。
「どうしたら印刷の発注を増やせるか?」ではなく、どうしたら「印刷しなければならない状況を発生せるか?」と考え
「市場の欲求」がどこにあるのかに注目することが大事です。
例えば、通信販売会社が何故カタログを発行するのか?
それは顧客に商品の魅力を伝え、その商品のメリット理解してもらい、最終的に注文してもらいやすくするためです。
通信販売会社はただ美しい紙カタログを印刷したい訳ではないのです。
という事は通信販売市場に向けて印刷会社がすべき仕事は、今ある環境を最大限に活用して通信販売会社の商品の注文を増やすツールを提供することです。
カタログ印刷はカタログが主流でなかった時代の市場の旧欲求の産物であり、旧ビジネスモデルなのです。
「わたしたちは印刷をする会社である」「通信販売会社はカタログを印刷したがっている」
という誤った認識のままでいると「もっと印刷がきれいに早く安くできる設備を整えよう」という誤解にたどり着くわけです。
印刷会社は印刷売上を目標にしてはいけないのはこの理由からです。