上のポートフォリオを見てください。
既存の印刷ビジネスモデルはいま、残念ながら負け犬のポジションにいます。
では問題児ポジションにいる事業分野は何か?
いままで売上は低いけど事業の成功率で言ったら成功率は高い、
それがデジタルプリントです。
「売上が低いから駄目だ使えない」と放ったらかしにしてしまうのは間違えです。なぜなら新しいビジネスモデルを考える事というのは問題児の問題を解決することではないからです。
問題児の特性を活かし、活用することで優良児に育てあげる事が新しいビジネスモデルの構築になります。
「デジタルプリントは儲からない」
といった合言葉がありますが、果たしてデジタルプリントは本当に薄利の問題児でしょうか?
デジタルプリントの強みをあげてみましょう
- WEBとの親和性が高い
小ロットの印刷コストが見合う
全てがデジタルで済むというのが最大の魅力ではないでしょうか。
では、この強みを活かして問題児を優良にバージョンアップさせるビジネスモデルがないか、とある印刷会社をペルソナにして探っていきましょう。
新しい事業を作っていくために、まず自社の強み、コアコンピテンスを活かせるキーワードをリストアップしてください。
例えば、
24時間稼働の大きな工場
大量印刷のできる輪転機を保有
オンデマンドプリント、パーソナライズプリントができる印刷機を保有
多数の大手通販販売会社との取引実績
紙カタログ、紙DMの売上が主力
という強みをもった印刷会社だったらどうでしょうか?
この会社の現状を想像してみましょう。
主力の紙のカタログの印刷売上実績は十分にあるが、売上は年々現象傾向にある。
デジタルプリントは小ロットしか注文がなく売上の数パーセントにしか割合がないので特に営業はしていない。
先に触れた通り、紙の印刷のうち「無駄な印刷」は激減しています。
という事は発注を待つだけの主力の大量の紙のカタログ、DM印刷のビジネスモデルはすでに衰退期に入っており、
印刷売上を目標にするビジネスモデルを再構築しなければいけないタイミングだと言うことです。
印刷という技術の上に、正確な情報とその生産性を上げ、かつ利益を出せるビジネスモデルを作るとしたら?
幸いこの会社には多数の大手通販販売会社との取引実績があり通販販売業界の欲求を知る術があります。
通販販売業界向けのビジネスモデルを考えてみるのはどうでしょうか?
いま印刷しているカタログに最終的に注文してもらいやすくする仕掛け付帯するとしたら?
注文してもらいやすくする仕掛けはリアルタイムにアプローチした方が効率が良いです。
顧客はその商品が必要な時だからに買うのであり、時間がたってしまってはその商品が必要なくなるかもしれないからです。
リアルタイムに情報が更新されるの媒体なら紙よりWEBの方が良いでしょう。
例えば、引っ越しの季節に住所変更をしたWEB会員に対して過去の購入履歴からその嗜好に合わせたインテリア商品の小冊子カタログを作成する
WEB会員が商品をお気に入り登録した翌日にはその商品のサンプルと特別割引キャンペーンのDMを発送する
こういった顧客の行動に即反応し、パーソナライズ化させた印刷サービスを展開するには何か必要か?
小回りよく印刷する技術はデジタルプリントしか無いでしょう。